へ〜んな家

同じ親から生まれた家族二人、

一人は自分を表現したいと言う感情が自然に湧き上がってくる、

創造衝動というのを持ったまま大きくなった子でした、ある年齢までは。

ある年齢までは、と言うのは家庭内イジメの加害者とその子分が

創造性を傷つけてないがしろにしたので

その創造性も持続できなかったからです。

 

もう一人は、イジメ加害者と親和性の高い

凡庸で人と同じことをやり、流行をチェックし

聴く音楽も着る服も、「流行り」が動機の

意地悪で冷たい人間でした。

 

可愛がられたのは、後者の人間でした。

おかしな家でしょ?

 

目立ってイジメられたのは私でしたが

深いところで傷ついて可能性をぶっ潰しにされたのは

きょうだいその一の方でした。

 

私は自分のことで大変過ぎて

きょうだいその一の事まで気持ちが回らなかったけど

ある時、ある絵本がキッカケで

その本の主人公に、その一を投影して読んでしまい

深く考えたことのなかったその一の気持ちを思ったら

電車の中でも友達と一緒にいる時でも

しゃくりあげて泣きそうになって

できるだけそのことを思い出さないようにしなければいけませんでした。

 

その二は私とその一をバカにし腐っていて

でも家庭内イジメ主犯の子分だったその二には

何を言われようと私もその一も無抵抗でした。

 

大学にも浪人せず進み、卒業してすんなり就職し

社会人になってからは、

お気に入りの欧州の都市に何度も旅行し

家に帰ると、いつも一緒に行動している最も身近な友達を小馬鹿にし

福祉の現場で日々接するお年寄りをからかった話や

しょうがいのある人のモノマネをし、

そうしながら配偶者をすんなり見つけたその二。

 

今、私もその一も、同じ親から生まれた者同士でありながら

その二とは一切接触がないのです。

損得で言ったら、付き合っておけばいいんですけどね。

私もその一も、打算ができないので

打算で生きるその一とは、接触すらもできないんです。