気遣いも知らない

私達きょうだいは小さい頃はお互いちゃん付けで呼び合っていた。

仲良く優しく遊んでたんだ。

でもハハオヤが引越しを境に、私達にそれまで以上に厳しく接するようになって

私達の心も荒んできて、「呼び捨て」に変わったんだ。

近所のイジワル一家のM子はニコニコしながら

「あなたたち呼び捨てにし合うの、初めて聞いた」と言っていた。

よその子が荒んで行くのを見るのが、彼女は嬉しかったのか。

 

ハハオヤの毒さえなければ、私達は仲良く優しく穏やかに過ごせたのに。悔しい。

 

優しさ、思いやり、そういうもともと私達に感覚的に備わってたものがハハオヤに破壊された。

 

私が5歳くらいの頃

「おいしんだから食べなさい」

と強要されたものを一口食べただけで反射的に吐き出してしまった時

反射的にハハオヤが私のほっぺたを引っ叩いた。

 

私が小さい頃からギクシャクした人間関係しか結べなかったのは

当たり前の思いやりや言葉を知らなかったからだと振り返って思う。