アルバムによその子の写真

小学生か中学生の頃にハハオヤにきいた。

「どうしてうちのアルバムによその赤ちゃんの写真があるの」って。

それは私だった。

 

その写真の赤ちゃんは底から明るくて屈託なくて安心してそこにいるような表情だったから、自分じゃないと思ってた。

 

その時はまだ、虐待始まってなかったんだね。

本気で私じゃないと思ってたよ。

 

私家を飛び出して家族に居場所を知らせていない時期があった。

飛び出した後最初に会った家族は、私たちにとても優しい父だった。

妹やハハオヤは、本人の目の前で侮蔑的な言葉で詰ってたけど。

 

それで父は私の行方不明期間に、私の子供時代の写真を一枚

ノートに挟んで持っていた。

多分10歳頃の写真。

死にそうな顔してた。その頃すでにそんなに苦しかったんだ。よく頑張ったな。